ライデリの浦崎・沖田によるWebビジネス講座。 会員の皆様に、ライデリならではのノウハウをお伝えします!





第六回:誰に見せるか

マーケティングの基本として、ターゲットを明確にする、というのがあります。大学の近くの安いアパートが立ち並ぶところでは、高級アンティークショップはあまり立地に適していないと考えられるように、インターネットでモノを売る場合にも、インターネットを誰が見るかを考える必要があります。

■インターネットユーザーの姿
沖田がよく使う情報源を、1つこっそりばらしましょう。http://docs.yahoo.co.jp/info/research/wua/200204/誰にも言わないでくださいね。 これは、ご存知Yahoo!が毎年インターネットユーザーから集めたアンケートを集計しているページです。

1つ1つみていくと、インターネットユーザーの平均的な姿が分かってきます。男の方が多く、21〜44歳までは平均的にユーザーがいて、独身者が多く、東京と関東地区で41%、一般職の割合も高くなっており、インターネットがコンピューターマニアのものだった時代とは大きく変わってきています。

注意すべきなのは、このデータは、Yahooユーザーが対象なので、全てのインターネットユーザーの傾向ではないことです。つまり、比較的初心者が多い(高齢者も含む)可能性があるということです。

とはいえ、天下のYahoo!ですので、例えば、意外にも40代前半の利用率がたかっていることや、近畿、中部の本土大都市圏を合わせると78%にもなり、中国、四国、九州などは圧倒的に少ない傾向は、実に当てはまっているのかも知れません。

■インターネットショッピングユーザーの姿
もう1つ、時々使う情報源を披露します。情報通信総合研究所っていう会社の調査結果です。http://www.commerce.or.jp/result/min30/index.html

ECというのは、インターネットショッピングのこと(Electric Commerce=電子商取引とか直訳しますが)。インターネットでものを買ったことのある人が、既に80%に達していて、本、衣料品、食品、旅行商品などが売れているようです。女性のほうがやや多い。カード決済と代引きがほぼ同じくらい。これも、昔電子決済は危険だ!などといっていた時代とは、随分変わってきた感慨があります。

衣料品が多いのは、女性のことなのでしょう。旅行商品は、おそらく圧倒的に航空チケットの直販が多いものと思われます。でも旅行商品を買うことに抵抗は無いということなので、旅行代理店やホテル予約はもっともっと伸びる可能性があると思います。
食品が多いというのはちょっと意外。誰が何を買っているんでしょうね。1年間の購入回数が増えているということは、1回買えばあとは抵抗が無く買い続けることが出来るということでしょう。6回買ってる率が一番高いというと、2ヶ月に1回は買っている。もともといわれている、インターネットショッピングは、リピータに強いというのが、裏付けられていることになると思います。


■つまり、インターネットショッピングユーザーとは。
了つまるところ、インターネットショッピングユーザーは、ちょっと前は偏りがあったけど、最近では普通にショッピングする人と変わらない。これを国勢調査と比較すると、更にインターネットの人口特徴がわかったりします。http://www.stat.go.jp/data/kokusei/index.htm

ただ、今回の調査は、あくまで全体の把握ということ。いま、皆さんが抱えているユーザー層を知るにはあまり手がかりにならないかも知れません。むしろ、これから新しいターゲットを狙おうとするとき、特に広いターゲット層を狙うときの、情報源として利用してください。

インターネットなので、買い物をするにも、特徴的な店で買いたい、特徴的な商品を取り寄せたい、という購買行動の特徴は変わりません。例えば、シニア、シルバー層はユーザー数は圧倒的に少ないかも知れませんが、少ないといっても数百万人はいるわけで、しかもそういう人たちは、いろんなことをしたがるはず。シニア向けの商品を作って、シニアにアピールしそうな方法でマーケティングすれば、インターネットなら日本中からオーダーが来る!その原則には変わりません。
[沖田 民行 2003.04.11]